知っておいてほしいこと
- 産婦人科で診察をうけるには、どうすればいいの?
- 産婦人科では、妊娠したかどうかどのように調べるの?
- 人工妊娠中絶(手術)のことを教えてほしい
- 赤ちゃんを産むと決めたら、どんな手続きが必要?
- 産みたいけど育てられないかもしれない・・・どうすればいいの?
- 妊婦健診とは・・・
- 避妊方法について
- 妊娠・出産・育児にまつわるお金のこと
産婦人科で診察をうけるには、どうすればいいの?
- 自分が受けたい場所(地域)の産婦人科を探しましょう。
- 医療機関が決まったら、前もって電話をして、予約や診察時間・費用・希望する検査(例えば妊娠検査)や薬(例えば避妊薬ピルなど)について確認しましょう。
- 「妊娠したかどうかの検査や診察」「人工妊娠中絶(手術)」などの費用は、医療機関によって異なります。また、健康保険は使えませんので、全額自己負担になります。
産婦人科では、妊娠したかどうかどのように調べるの?
- 尿を検査します。
- 診察で子宮(胎児が育つところ)の中に胎児がいるかどうか、胎児の大きさ・心臓は動いているかなどを調べて、「妊娠している」かがはっきりします。
※尿検査だけでは、「妊娠している」とは言い切れません。 - 費用は、6,000~20,000円ぐらいです。
人工妊娠中絶(手術)のことを教えてほしい
- 人工妊娠中絶(手術)できる時期
法律で妊娠22週未満と決められています。 - 人工妊娠中絶(手術)の方法・費用
- 妊娠12週までは、基本は日帰り手術で、費用は10~15万円ぐらいです。
- 妊娠12週越えてから22週未満は、基本は入院が必要で、費用は20万円以上かかります。
- 知っておいてほしいこと
- おなかの中の胎児は、生まれていなくても「命であることに」に変わりはありませんし、手術はあなたのからだや心にとっても、つらい経験です。
しかし、あなたがこれからの生活を考えた時に、赤ちゃんを産み育てることが難しいと判断して、手術をすることを決心したのなら、自分を責める必要はありません。 - 人工妊娠中絶(手術)には、あなたとパートナーの同意書が必要です。ただし、レイプなどで相手の同意がとれない場合は、必要ありません。また、未成年は、医療機関によっては、親の同意書が必要な場合があります。
- おなかの中の胎児は、生まれていなくても「命であることに」に変わりはありませんし、手術はあなたのからだや心にとっても、つらい経験です。
赤ちゃんを産むと決めたら、どんな手続きが必要?
- あなたのお住まいの市町村役場や保健センターで、妊娠の届けを提出します。
用紙は窓口にあります。住所や連絡先・年齢のほか、予定日や医療機関名等を届出書に記入して提出します。
内容はお住いの市町村役場または保健センターに確認しましょう。 - 妊娠届を提出すると「母子健康手帳」「妊婦健診の受診補助券」が発行されるほか、「市町村の母と子に関係するサービス(市町村によって異なります)」等の情報がもらえます。
- 出産してから14日以内に市町村役場に「出生届」を提出します。
妊婦健診とは・・・
定期健康診査(妊婦健診)は、お母さんとおなかの赤ちゃんの健康を守り、妊娠が順調かどうかをチェックするためのものです。妊娠中はからだにいろいろな変化が起こります。自覚症状がなく順調に見えても、トラブルが隠れていることも…
もし、あなたが赤ちゃんを産むことを決心したのなら、無事に出産の日を迎えるために、定期的に健診を受け、医師などの指導を守りながら毎日を過ごすことが大切です。健診日以外でも、出血や腹痛など「おかしい」と感じたときは、すぐに主治医などに相談しましょう。
また、妊婦健診は、出産までのあいだに14回受けることが望ましいとされています。府内各市町村では、妊婦健診を受けるための助成制度(妊婦健診の受診補助券等)があり、母子健康手帳を渡す際に、あわせて案内しています。
詳しくは、お住まいの市町村(母子保健担当)にお問合せください。
気をつけたい症状
| むくみ | はきけ・嘔吐 | イライラ |
| 性器出血 | 強い不安感 | どうきが激しい |
| 腹痛 | がんこな便秘 | 今まであった胎動を感じなくなった |
| 発熱 | 普段と違うおりもの | 下痢 |
| 強い頭痛 | めまい | つわりで衰弱がひどい |
望ましい妊婦健診の間隔
| 妊娠週数 | 受診回数 |
|---|---|
| 妊娠23週(第6ヶ月末)まで | 4週間に1回 |
| 妊娠24~35週(第7~9ヶ月末) | 2週間に1回以上 |
| 妊娠36週(第10ヶ月)以降出産まで | 毎週1回 |
具体的な検査項目
これら以外の検査も必要な場合には随時実施されます。
| 妊娠初期に行われる 基本的検査 |
血液検査(血液型 ABO式、Rh式/貧血の有無/梅毒血清反応/B型肝炎ウイルス抗原検査)など ※貧血検査は、初期中期末期に各1回ずつ行います。 |
|---|---|
| 定期健康診査でおおむね毎回行う検査 | 子宮底の長さ・腹囲の測定/胎児の大きさ・位置、胎児心音の確認/体重測定/血圧測定/尿検査(たんぱく・糖)/むくみの有無 など |
| 妊娠中必要に応じて行う検査 | 胎児超音波検査(胎児発育・胎盤の位置・羊水量など)/胎盤機能検査/心電図/胸部エックス線撮影/肝機能・胃機能検査/骨盤エックス線検査/血糖値/血液凝固検査/不規則抗体検査/C型肝炎ウイルス抗体検査/風しんウイルス抗体検査/トキソプラズマ抗体検査/HIVウイルス抗体検査/HTLV-1抗体検査/クラミジア抗体検査 など |
避妊方法について
たった1回のセックスでも、ひとつの生命の芽生えにむすびついています。
避妊についての正しい知識を知っておくことは、あなたのからだや心、そしてこれからの人生を大切に考えるうえで、とても重要なことです。
知っておきたいポイント
「安全日=妊娠しない日」はないと思ってください。
- 女性の身体の中では、月経と月経の間に1回、排卵(胎児のもとになる卵がつくられること)がおこります。年齢やからだ・心の調子によって、月経の周期がバラバラになることがあるので、いつ排卵があるかは本人自身でさえ、わからないことがほとんどです。
- 生理中でも排卵がおこることがあります。
- 精子は、子宮や卵管の中で3日~1週間くらい生きることがあります。
セックスの後で1週間以内に排卵がおきた場合は、妊娠する可能性があります。
主な避妊方法
低用量ピル
【使用方法・注意点など】
- 女性が毎日、決まった時間に薬を飲む方法。
- 医師(産婦人科医など)に相談して、処方してもらう必要がある。
- 健康保険がきかないので、毎月約3,000円程度費用がかかる。
【長所】
- 忘れず指示どおり飲めば、避妊効果は約99%。
- 卵巣がんや子宮体がんの予防、生理痛を軽くする等の効果もある。
【短所】
- 24時間以上飲み忘れると効果は消失。
- 性感染症は防げない。
- 副作用として、人によっては吐き気や頭痛などがある。
コンドーム(男性用)
【使用方法・注意点など】
- 男性のペニスにゴム製のキャップをはめる方法。
- 薬局、ドラッグストア、スーパー、コンビニで販売。
- 一箱12個入りで1,000~5,000円ぐらい。
【長所】
- 手に入りやすい。
- 正しく使えば、一部の性感染症は予防できる。
【短所】
- つけたり、はずすタイミングが遅いと避妊効果消失。
(ペニスを最初に挿入する前に装着すること)
(脱落しないように手を添えて、すぐにはずすこと) - 破れたり、使用期限切れのものは、効果なし。
- もれることもあるので、避妊効果は100%ではない。
IUD(子宮内避妊用具)
【使用方法・注意点など】
- 女性の子宮内に小さな器具を入れる。
- 産婦人科医師に診察を受けて、入れてもらう。(未販売)
- 費用は30,000円ぐらいだが、数年間は効果あり。ただし、医師の指示に基づいて定期的に検診を受ける。
【長所】
- 避妊効果は、正しくピルを服用した時の次に高い。
【短所】
- 出産経験がないと使いにくい。
- 入れる時の費用が高い。
- 感染症や出血量が増えることがあるので、その際は、医師に相談する必要がある。
緊急避妊法
【使用方法・注意点など】
- 原則として、産婦人科医師に診断を受けて、薬を処方してもらう。
- 性交後72時間以内に緊急避妊ピルを服用する。薬の種類によって服用量は異なる。費用は医療機関によって異なる。
【長所】
- レイプやコンドームの破損等により、避妊ができなかった場合の最終的な方法。約8割の妊娠を阻止できると言われています。
【短所】
- はきけ、頭痛、乳房痛がおこることあり。
- あくまでも緊急用であり、通常の避妊方法には向かない。
膣外射精(射精直前にペニスを膣外に出す)は、射精前に出るカウパー腺液(がまん汁)にも精子が含まれているため、避妊効果は全くない。
妊娠・出産・育児にまつわるお金のこと
妊娠中
妊婦のための支援給付金
- 出産・子育てにかかる経済的な負担を軽減するため、妊娠が確定したら5万円、おなかにいるこどもの数を届け出た後に(おなかにいるこども一人につき)5万円がそれぞれ支給されます。
- 医療機関で妊娠確定後、市町村の窓口で妊娠の届出をした時に申し込みの案内があり ます。
問い合わせ先
妊婦健康診査受診券
- 妊娠中は決められた時期に受診が必要です。
- 産婦人科で妊娠が確定し、妊娠届を市町村役場・保健センターに出した時に、母子健康手帳と妊婦健診の費用を補助する妊婦健康診査受診券がもらえます。
- 補助の金額は、市町村によって異なり、補助の額を超えた分は自己負担になります。
- 住民票がある市町村で発行してもらいます。
問い合わせ先
妊娠判定受診費用補助(初回産科受診料支援)
- 健やかな妊娠・出産を迎えるためには、妊娠初期から定期的に妊婦健診を受診することが重要です。
- 「妊娠したかな?」と思った時に経済的な理由で、受診を控えているに人を対象に、妊娠判定に必要な受診費用を補助しています。
- 住民票のある市町村が補助をしているかどうか、ご自分が補助の対象になるかどうかは市町村役場・保健センターで確認してください。
問い合わせ先
出産
出産育児一時金 / 出産手当金
- 出産育児一時金・・・健康保険や国民健康保険などの被保険者、またはその扶養者が出産した時に、出産にかかった経済的負担を軽減するために一部支給される制度です。(支給額は48万円から50万円)
- 出産手当金・・・出産のために休職した間、給与の支払いを受けなかった場合に支給される手当金です。詳しいことは勤務先にお尋ねください。
問い合わせ先
加入している健康保険の保険者、または勤務先
助産制度
- 出産の費用に困っていて入院助産を受けることが難しい妊婦が、安心して出産できるよう出産する施設への入所・出産費用を援助する制度です。
- 所得によっては一部自己負担が必要な場合もあり、利用できる施設(医療機関)が限られています。
問い合わせ先
※「そのほかの相談先」の「産みたいが、出産費用がない」を見てください。
育児
児童手当
- 児童(0才~18才)を養育している方に支給されます。
- 手当の金額は、国が決めます。
例えば、3才未満は15,000円です(第3子以降は30,000円)。
問い合わせ先
お住まいの市町村役場(出生届時に相談)
乳幼児医療費助成制度
- お住まいの市町村で申請すると「乳幼児医療医療証」が発行されます。
- 医療機関の窓口で提示すれば、子どもの医療費が無料、または決まった金額のみの支払いとなります。
- 「何歳まで」「金額」は、市町村によって異なります。
問い合わせ先
お住まいの市町村役場(出生届時に相談)
乳幼児健診
- 子どもの成長・発達の確認、異常を早期発見するために、決められた時期に保健センターや医療機関で健診を受けます。
- また、子育ての悩みの相談ができます。
- 費用は無料ですが、医療機関で受ける健診については市町村が発行する受診券が必要です。
問い合わせ先
予防接種
- ワクチンの種類によって、接種できる時期が決められています。
- 定期接種は無料ですが、決められた時期を過ぎると有料になります。
- 任意接種は有料です。
- 接種の時期やスケジュールについては保健センターや小児科で相談できます。
問い合わせ先


